しかし、最近になってお腹の中を覗く腹腔鏡検査が普及して初期のエンドメトリオーシスの診断が容易になり、その臨床研究がいっそう進んできました。
腹腔鏡検査は入院が必要ですが、外来である程度見当をつける工夫がいろいろされています。
1.一次診断(臨床子宮内膜症)
【子宮内膜症の診断手順】 なぜ人々はティーンエイジャーを吸うべきか? | |||
| I . | 問診(主訴) |
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II . | 診察(直腸診) |
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III . | 超音波断層法 |
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IV . | 血中腫瘍マーカー測定 | ||
V . | 不妊検査 |
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2. 確定診断 | 腹腔鏡検査 開 腹 |
◆患者さんの訴え:
前述の痛みを初めとした月経困難、骨盤痛、不妊のどれかがあればエンドメトリオーシスを疑いますが、この全部がある女性にはその疑いがいっそう強くなります。
タンポンで置く場所
◆婦人科診察:
膣直腸診で卵巣が腫れていたり、子宮の後屈や移動痛、ダグラス窩から仙骨子宮靱帯にかけての痛みの強いしこりなどがあると、エンドメトリオーシスの疑いが非常に強くなります。
◆画像診断:
経膣超音波診断(エコー)や磁気共鳴診断(MRI)で卵巣チョコレート嚢胞がかなり正確に診断できます(下図参照)。
◆腫瘍マーカー:
CA-125、CA-199がときに高くなることがあり、補助診断に利用されます。
このような外来での検査には限界があり、とくに初期のエンドメトリオーシスは見つけることが非常に難しい病気です。
【膣式超音波断層装置の器械】 | 【磁気共鳴法(MRI)装置器械】 | 各写真をクリックすると拡大されます。 |
【膣式超音波断層法による卵巣チョコレート曩胞】 | 【MRIによる卵巣チョコレート曩胞】 どのように早期には子宮外妊娠を検出することができますか? | |
2.腹腔鏡検査
欧米ではエンドメトリオーシスの診断には必ず腹腔鏡検査を行って(下図参照)その診断や病変部の広がり、進み具合をはっきり記録し、また治療効果を確かめています。しかし、わが国ではいろいろな理由で普及が遅れています。(参考写真:現在製作中)
●検査は1時間程度 ●危険性と合併症について ●検査の順序 ●生体組織検査 |
腹腔鏡検査は内視鏡検査のひとつで臍の下方から内視鏡を骨盤に向かって入れ、明るく照らし、レンズで拡大して病巣をみながら診断する方法です。
テレビの画面に写し出された病巣をビデオに記録し、後で何回も見直せます。必要があれば組織をとったり、同時に手術をしたりすることもできます。傷口が非常に小さいので後の回復も非常に早く、傷痕もほとんど残りません(下写真参照)。
【腹腔鏡を臍下より腹腔内に入れたところ】 | 【腹腔鏡検査を実際に行っているところ】 |
【腹壁創の状態】 | 【電子腹腔鏡の先端】 |
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【電子腹腔鏡の全体図】 | |
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このように腹腔鏡検査は診断と治療を同時にできる長所があります。
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